ライター: いしたにまさき 記事の出所はこちら
単機能家電というのはこうあるべきというお手本のような商品
その昔(ざっくり20年前ぐらい)とあるデジカメ的なものをもはや作るしかないのか?みたいな議論を夜な夜なしていたことがあります。
その時に出た数々の意見の中で、今でも有能だと思っているUIに関するものがあります。
それは、単機能であればあるほど、機能を選んでからスイッチオンというのはひどく無駄で、機能選択とスイッチオンをいっしょにしたボタンを機能の数だけ並べた方が、ずっと直感的だし、使いやすいし、早く使えるというものがあります。
でも、これわりと設計泣かせの意見ではあって、ボタンをたくさん並べるということは、当たり前ですがスイッチ類が並ぶところの面積は大きくなってしまうんです。
世の中的に大枠ではダウンサイジングの流れがある中では、この意見が採用されることもそうそうないのだろうなあとは思い続けてきました。
でも、ついにそれをやってくれる家電がきました。しかも電子ケトルという予想外のところからです。
※なお、今回のCOSORIの電気ケトルはブイシンクより、レビュー用にモニター提供いただいたものです。
で、COSORIの電子ケトルの話をする前に、まずは電気ケトルを巡る状況を確認しておきましょう。
この10年ぐらいネットで話題になる電気ケトルといえば、ティファールが鉄板でした。
- ティファール、ホントにお湯沸かすしかできない
- ティファール、お湯の注ぎ口広くてお茶入れるのとかには使いにくい(のちに注ぎ口が狭いタイプも発売されました)
- でもティファール、お湯沸かすの超速い
- でもティファール、見た目がかわいい
- そしてティファール、サイズ展開されている
そうなんですよ。
電気ケトルが便利なんてことは百も承知だったんですが、家に置きたいデザインの電気ケトルがティファール以前にはなかったということなんですよね。
で、この状況は例えばタイガーのこういった取り組みに象徴されています。
そして、うちの台所にはこのティファールの電気ケトルが鎮座して長いです。ざっくり10年以上経過していると思います。
で、ここまでが言ってみれば、コロナ禍前の状況でした。この状況がコロナ禍でまた変化します。
おうち時間の到来ですね。家で過ごす時間が長くなってくると、電気ケトルの稼働率がアップするのは当然ですね。
そして、とにかく人というのは飽きる生き物なのです。最初のうちは、コーヒーがあればいいかと思っていても、もっと違う種類の飲み物が欲しくなっていきます。
私も今となっては、冷蔵庫のピッチャーに3種類の茶色い飲み物を常時用意しておいて、かつコーヒーとか緑茶も飲んだりするわけです。
そして、どうせ飲むのであれば、少しでもお茶はおいしく飲みたいものです。そしてお茶の種類が変われば、実はおいしく飲むためのお湯の温度はそれぞれ違うわけです。
でも、そんなこと気にしてお湯を沸かすとかやってられないわけですよ。そもそも、お茶ごとに違うお湯の最適温度なんか覚えてられないわけですよ。
でも、1日1杯とか2杯ならいいけど、数杯飲むとなると、家でももっとおいしいお茶が飲みたいとなるのは当たり前だし、何度も言いますけど、人間というのは、とにかく飽きる生き物なわけです。
だから、家に固定されてしまうと、なにかで変化を求めるわけで、そのひとつがお茶ということにもなるわけです。
で、ここまでがすっかり長くなりましたが、COSORIの電気ケトルの話をする前の大前提です(長かった)。
COSORIの電子ケトルは、電気ケトルなので、今時の電気ケトルに必要な機能(特に大事なのは安全機能)をちゃんと持っています。
- 1200Wハイパワー
- 自動スイッチオフ
- 空だき防止
- ステンレス製
ただ、ここまでの機能説明なんていうのは、今時の電気ケトルでは当然やるべき機能ばかりです。
このCOSORIの電気ケトルで見るべきはここです。このUIです。
ホントに一目瞭然ですよね。
左から、順番に一応書いておきましょう。
- 電源入/切
- 玉露(ボタンに60°Cの表記)
- 中国茶・白茶(ボタンに70°Cの表記)
- ウーロン茶(ボタンに85°Cの表記)
- コーヒー(ボタンに90°Cの表記)
- 中国茶・工芸茶(ボタンに100°Cの表記)
- 保温
つまり、このCOSORIの電子ケトルでは、今から飲もうと思ってるお茶のボタンを押すだけ。これ以上、わかりやすくする方法を私はしりませんよ。
しかも、ボタンにお茶の名前だけではなく、温度もちゃんと記載されているので、ここに書かれていないお茶が飲みたくなったとしても、最適温度に近いものを選ぶことはできるでしょう。すばらしい。
電子ケトルが動作している最中は、上の写真のようにボタンそのものが光りますし、お湯が設定温度になれば「ピー」という音で知らせてくれます。つまり、台所から離れていても、お湯が用意できたことがわかります。
ケトルそのものも、うまくできてます。ふたはちゃんと閉まれば、カチ!という音がします。
ティファールと並べてみても、さほど大きい感じはしませんね。
しかも、発熱の稼働部分は、台座にあるので、ケトル本体はティファールよりもはるかに軽い。注ぎ口も細いので、カップなどにお湯を注ぎやすいです。
ここまでで、言いたいことは全部言ってしまっているのですが、一応、お茶の味も確認しました。
玉露ではないのですが、抹茶入り緑茶を60°Cで試してみました。ああ、うまい。
これは少し反省しなくてはいけないですね。今までいかに適当なお湯の温度で入れていたのかを反省しなくてはいけませんよ。
そうなんですよ、お茶のおいしい店でお茶を飲むとおいしいのは、茶葉とかカップのよさもあるけど、まずはお湯の温度がちゃんとしているからなんですよね。当たり前だろっていう話なんですけど。
なお、この後、緑茶を70°Cで入れて飲んでみたのですが、70°Cでも熱いなと思いました。これを今までは、チンチンに沸かした熱湯で緑茶を入れたんだから、そりゃダメだ、ダメすぎる。
あと、ウーロン茶の85°Cもよかったです。これなら、ホットウーロン茶もうまい。
あと、気になるのは設定温度になるまでの時間ですが、お茶2杯分、60度なら1分程度でオッケーです。沸騰までとなると、2分ぐらいはかかるかなと思います。
そして、えらいなあと思ったのが、お湯を沸かしている時の動作音の少なさです。つまり、COSORIの電気ケトルは使っていて静かだということ。
最初に電源入れたときは、これホントに動いているのかな?と思ったぐらいです。
ちょうど東京ではひさびさの大雪も降りましたし、家で過ごす時間もまた増えると思います。というか、冬ですからね、温かいお茶がうまい季節です。
ということで、COSORIの電気ケトル、家でお茶をしかもいろんな種類飲むみなさんにおすすめです。
毎日、少しぬるめの緑茶が1分で飲める幸福ですよw